美弥 るりか(みや るりか、9月12日 - )は、日本のアーティスト。元宝塚歌劇団月組2番手スター。 茨城県古河市、桜丘女子高等学校出身。身長168cm。血液型O型。愛称は「るりか」、「るり」、「みやちゃん」。 2001年4月、宝塚音楽学校入学。 2003年3月、宝塚歌劇団に89期生として入団。

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2019年6月、惜しまれつつも宝塚歌劇団を退団した、元男役スターの美弥るりかさん。好評発売中の 『週刊文春WOMAN』創刊1周年記念号 では、退団から約半年を経たからこそ明かせる、在団当時の葛藤とそれを経てたどり着いた充実の日々について語り、大きな反響が集まっている。

 じつはこの取材、一日がかりで富士山近くの雪山に出かけ、撮影とインタビューを行うという大がかりなものだった。雪山での撮影後、近くの一軒家カフェで体を温めながら行ったインタビュー。今回は文春オンライン特別バージョンとして、誌面では紹介しきれなかった未収録トークも含めて、一問一答を全文掲載する。

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「自分を撮られる」ということ
――雪の中での撮影、終わった今のお気持ちは?

 フォトグラファーのMARCOさんとは今まで何度かご一緒させていただいていて、色々なシュチュエーションの撮影を行ってきたところで出てきたのが「雪山で撮りたい」というアイデアでした。MARCOさんは屋外の撮影での光の入れ方がとても美しい方なので、きっと雪山で撮ったら斬新な写真が撮れるだろうなと思っていました。一方、スタイリストの樋口麻里江さんとヘアメイクの松野仁美さんは初めてご一緒させていただいたのですが、お衣装もメイクも今までと違う新しいスタイルで、自分にとっては挑戦でした。

――どこが新しさだったのですか?

 タカラヅカはどうしても「足して足して」のメイクになるので、引き算のメイクは新鮮でしたし、お衣装に布団みたいなものがついていたのも面白いなと思いました。私は自分でスタイリングするのも好きですが、そういうアイデアは出てこないです。寒かったですけど(笑)、新しい気持ちもたくさん生まれました。

 性別を感じさせないことが「自分らしさ」だと思っているので、「女性になった」でも「男役のまま」でもない、「私自身の生き方」が伝わる表現をしていきたい。そんな私の考えをきちんとキャッチしてくださったのが嬉しかったです。

――今回のような撮影は、どういう意識で臨まれるのですか? 普通のポートレイトとまた違うのでしょうか。

 役としてのポートは表情や髪型などを役として作れますから入りやすいんです。でも、今回は「美弥るりか」が裸で出るので、そうなると結局自分が「どう撮られたいか」次第。このシチュエーション、この服、このメイクでどう撮ってほしいかを自分がプロデュースしないといけません。写真が一つのアートとして見えて、私に興味がない方が見ても素敵だなと感じていただけるためにはどう撮られたいかを客観的に考えます。

 前もって考えていく部分もありますが、カメラマンさんに表情や姿勢について色々な注文を受けたとき、瞬時に対応できるかどうかも大切ですね。最初のうちは動揺しちゃうんですよね。もっとポーズを変えてみようと言われても「もう何もしようがない…」とか。
――うまく撮ってもらうための事前の準備や研究も必要なのでしょうか。

 タカラヅカ時代はセルフメイク、セルフ衣装で、自分でイメージをつくっていくので、センスも丸見えで自己プロデュース力が求められます。初め上級生の方のポートを見て勉強しましたが、それだけでは表現の枠が狭くなるので、海外の雑誌なども見てポージングや写真の質感、色合いなどを研究するようになりました。タカラヅカの枠を超えるような挑戦もしてみたいという思いが10年目ぐらいから生まれて、だんだんと写真の面白さにはまっていった感じですね。

 そうすると、下級生が「真似してみたいです」と言ってくれるようになって、それがまた励みになりました。「美弥さんがこういう風にやっていたから、私はこういうことをやってみよう」と、みんなが刺激を受けたと聞くのも嬉しくて、10年目から卒業するまでの間は、自分からやりたいことをどんどん発信するようになりました。

 卒業してからは男役という枠もなくなり、ひとりの人間としての勝負です。舞台もですが、写真からも人間性や感性が出ます。それもまた自分のプロフィールですし、写真は残りますので、写真をきっかけに私自身に興味を持っていただけたら嬉しいですね。

――撮影中は率先して動いてくださって、しかも誰よりも気配りをしてくださっていました。それはタカラヅカ仕込みでしょうか? それとも美弥さんの性格でしょうか?

 もちろんタカラヅカで上級生の方に教えていただき、学んだ部分も多いです。でも、元の性格もそうなんだと思うんです。舞台では、1列目のセンターに座っている方はもちろん楽しいですよね。でも、2階席にも3階席にもお客さまはいらっしゃるわけで、私は1列目のセンターの方と、3階の一番端っこの方が同じ熱量で「楽しかった!」と言って帰っていただかないと気が済まない性格なんです。
 
 みんなといる場でも、全員に楽しんでいて欲しいんですよね。たとえば誰かのお誕生日会で集まっているときも「あの子大丈夫かな」とか、とにかく気になってしまうタイプです(笑)。
入団後、10年目に転機がやってきた
――タカラヅカに入りたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 小学4年生のとき、テレビの舞台中継番組で涼風真世さんを見て憧れたのがきっかけです。

――入団当初から「男役志望」だったのですね。

 もちろんです。最初テレビで涼風さんを見たときから「男役になりたい」と思いました。そこからバレエを習い始め、少しでも背が伸びるよう牛乳を一所懸命飲んだり棒にぶら下がったりしていました(笑)。男役としては小柄だったので、受験の面接でも「娘役でもいいですか」と聞かれたんですよ。そこで「私は絶対に素敵な男役になります!」と言ってしまい、「落ちた…」と思いましたが合格できました(笑)。

――それまではどんな子どもでしたか?

 これは初めてお話しますが、3~4歳の頃から子役として、ドラマや映画、CMなどに出させていただいていました。撮影やオーディションのため地元の茨城から東京に通う日々で、当たり前のように芸事には触れていた子ども時代でした。もともとは親の意向で始めたことでしたが、ずっと続けていたので好きだったのだと思います。タカラヅカに出会うまでは、そんな日々でしたね。

――先ほど「10年目ぐらいから変わった」とおっしゃいましたが、客席からもそれは確かに感じていました。

 ちょうど10年目で星組から月組へ組替えしたのも良いきっかけでした。新人公演(入団7年目までのメンバーだけで行う公演)も終わり、これからどうして行くかが勝負の時期、当時の星組はトップスターの柚希礼音さんを筆頭にとても充実した組で、上級生からもたくさん勉強させていただけて、そんな星組にいられることが誇りでした。

 だから、組替えが決まったときは寂しい自分とチャンスだと思う自分が入り混じって、もう何とも言えない気持ちでした。でも、新しい組の人たちは私のことを何も知らないから稽古場でどんなドジをしたって構わない、「どんな自分にもなれる生まれ変われるチャンスだ」と思ったんですよね。

 そのころから、応援してくださる方に「好き」と言っていただけるポイントも変わってきたんです。星組時代は弟役などが多かったのが、月組には上級生として行くわけで「自分もみんなを引っ張っていかないと」という責任感も感じていて背伸びしていたからでしょうか。「美弥さんにしか出せない色気がありますね」などと言っていただけるようになって、「弟キャラの私が?」と最初は驚きました。でも、自分にそういう部分があるならそれは受け入れて、一つの個性として伸ばしていこう、もし武器になるなら武器にしていこうと考え始めたんです。

――「今は弟キャラだけどいつかは変わりたい」と思っていたわけではなかったのですね。

 そうではなかったんです。男役としては小柄だったので、宿命として「弟キャラ」をずっとやって行くのだろうと思っていました。ただ、背が高い人は普通に立っているだけでも男役として見栄えがします。当時の星組は皆さん背が高く、170センチ以上の方たちばかりが私の周りで踊ってらっしゃって「ヒィ~~!」という感じ。そこでとにかくオリジナリティを探し続けてはいました。

――周りの方の声からそれを発見していったというのが面白いですね。

 そうなんです。そんなこと考えたこともなかったので、最初はびっくりして「ええ? 嘘でしょ?」という感じでした。そうすると本当にそういう部分が必要な役をいただくことが増えてきたんです。たとえば悪役。やはり悪役って色気がないと全然かっこよくないですよね。『All for One』のアラミスのような色気の塊みたいな役をさせていただくこともありましたし、男役ですが女役もよくさせていただきました。ショーでの女役も多かったし、お芝居でも何回か。

 そうなったときに、男であろうと女であろうと結局は自分の人間性が舞台に出てくるわけだから、変に肩肘張るのではなく「男役」という鎧を脱いで、もっと自由に魂を動かして、何でも柔軟に感じないと、舞台人としての魅力はないなと思い始めたんです。

 在団中に背伸びして「男役」をしてこなかった分、辞めた今も性別から自由でいられるのでしょうね。私のような人がいてもいいかなと思うし、そういう部分を好きになってくださる方がいるのなら、存在価値もあるのかもと思っています。
月組・二番手時代の葛藤
――月組の二番手時代、トップスターになられた珠城りょうさんが下級生で、美弥さんが上級生という特殊な形になりましたが、組としてはとても良い雰囲気だなと感じていました。そういう中で美弥さんは、どんなことを考えられていたのでしょう?

 りょうちゃん(珠城)がトップとしてスタートするときに、「自分がいることで彼女が負担にならないかな」とか、「月組のみんなはどう思うのかな」といったことを考えて、辞めるべきかどうかすごく悩みました。たとえ自分はまだ舞台に立ちたいと思ったとしても、そう思わない人が一人でもいるのであれば、いるべきではないと思ったんです。一方で「残ってください」と言ってくださった方々の気持ちも無駄にしたくないですし、応援してくださっているファンの方は1日でも長く舞台を観たいと思ってくださっているし、もう「どうしようどうしよう」と、とても悩みました。

 でも最終的には、彼女を頂点に新しくスタートする組の景色を私も見てみたかった。下級生といっても舞台人は板の上に乗ったらそんなことは関係なくて、みんな同等です。私は昔から彼女のことを下級生と思って見たことはなくて、人としても舞台人としても尊敬しています。ただ、こうして色んな葛藤を経て残ることを決めましたが、同時に、漠然とではありますが卒業する時期も考え始めました。

 いざ新体制がスタートしてからは、お互い「いい関係でいたい」という強い気持ちが一致して、尊重し合えたのが良かったと思うんです。その姿を見て組のメンバーも安心してくれましたし、若い彼女がトップになったということで、自分で役に立つことがあれば彼女のためにも月組のためにもやっていきたいと思いました。彼女がトップお披露目公演初日に初めて羽根を背負って大階段を降りてくるのを下で迎えたときは、本当に嬉しくて、胸がいっぱいになりました。幸せだなと思うことが多かったですね。彼女だから残れたというのもあるかもしれないです。

――結果としてそれからは、美弥さんと珠城さんだからできた作品ばかりでしたよね。

 『グランドホテル』『All for One』そして『BADDY』など、作品には恵まれました。それは彼女が引き寄せてくれたものだと思いますが、そこでいつもやりがいのある役をいただけたので、本当に感謝しています。






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(出典 sumire87.com)

(出典 www.nikkansports.com)

(出典 kageki.hankyu.co.jp)

(出典 www.asahicom.jp)

<ツイッターの反応>


ソノハラ
@ymdm3t1

お化粧とかスイートハート様の話とか、「美弥るりか」の魅力についてのお話を読んでウルッときた…

2020-02-23 10:23:22

(出典 @ymdm3t1)

megu🤟
@catcatcat_m

ぼーちぇのミヨシさんと仕事でお会いしたことがあるんだけど、美弥るりか様とツーショットを撮っていらっしゃる……お二人とも美しすぎて絶句…画面割れる。。。

2020-02-23 09:58:57

(出典 @catcatcat_m)

ゆり🐱ふる
@yuriironotoki

そして『BADDY』(2018年)の頃、「美弥るりかの色」ができたなと腑に落ちたとき、「もう大丈夫」と思えましたね。

2020-02-23 09:28:27

(出典 @yuriironotoki)

SK
@sk_5101

「男役・娘役」の二択ではない第三の性「美弥るりか」ってポジションを築いたのって後にも先にもみやちゃんだけだと思う 現状今のヅカに第三の性いないし スイートハート様は偉大

2020-02-23 09:12:24

(出典 @sk_5101)

•°*☆ルル☆*。
@catlulu210

アルトワ伯、オットー、スイートハート…美弥様の思い出のお役はどれもファンのこころにも深く刻まれたお役ですよね😭素敵な記事でした✨元宝塚歌劇団月組・二番手男役スターの【美弥るりか】登場!|【VOCE♡宝塚】タカラジェンヌO… https://t.co/hOEhoBHKFk

2020-02-23 08:56:51

(出典 @catlulu210)

たゆ
@tkrzk__kzrkt

元宝塚歌劇団月組・二番手男役スターの【美弥るりか】登場!|【VOCE♡宝塚】タカラジェンヌOGのビューティトーク|三好さやか|ビューティニュース|VOCE(ヴォーチェ)|美容雑誌『VOCE』公式サイトみんな読んでおくれ… https://t.co/aGbPURNojV

2020-02-23 07:53:06

(出典 @tkrzk__kzrkt)

☺︎
@hikk71505300

美弥るりかにセクシー組長 #鬼に金棒的な言葉を考える宝塚版

2020-02-23 06:28:24

(出典 @hikk71505300)

アリン🥃
@ms_cos92

元宝塚歌劇団月組・二番手男役スターの【美弥るりか】登場!|【VOCE♡宝塚】タカラジェンヌOGのビューティトーク|三好さやか|ビューティニュース|VOCE(ヴォーチェ)|美容雑誌『VOCE』公式サイト https://t.co/7VMcekcMrr

2020-02-23 05:29:14

(出典 @ms_cos92)

らん
@Ran0829Ran

美弥るりかに月城かなと #鬼に金棒的な言葉を考える宝塚版もう出てそう、、、

2020-02-23 05:14:49

(出典 @Ran0829Ran)

( ^ω^ )
@V6oZzZ4bjMzQ5Fk

美弥るりか さん #saintlaurent https://t.co/P8gFLuHOsj

2020-02-23 05:11:56

(出典 @V6oZzZ4bjMzQ5Fk)


美弥るりか Blu-ray BOX—Graduation—
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